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新宿歌舞伎町のSMバー【ARCADIA TOKYO】経営の他、各種イベントなどでも活躍する堂山鉄心の(めったに更新されない)ブログ。

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調教師 3  ~第2章~2 正座~ 5 衝撃

2 正座

当然と言えばあまりにも当然の事だが、放課後俺は部室に呼び出され、予想通り全員の前で正座をさせられていた。
誰も口を開かず、重苦しい空気だけが流れ、たっぷり30分以上も放置された後、主将の西岡が、部室の隅に置いてある竹刀を手に取り、いきなり俺の肩を打った。

「何か言う事があんだろうがぁ? あぁっ?」
正座させられ、放置されている間、大垣の事だけが俺の頭の中を占めていた。

大垣は何でも小起用にこなすお調子者で、後輩には口煩く、顧問やOBには媚を売るという、どこにでもいる良い加減な男だった。
女子生徒が見ているか否かで全く態度が違い、練習では手を抜き、試合ではスタンド・プレイに走った。
ヤツが使われている理由はただ1点。『脚は速いが、ただそれだけのことで、他には特に特徴もない選手である』と云うのが、俺達1年の共通した意見だったが、やはり顧問には可愛がられ、ずっとレギュラーを張っていた。

俺は常日頃から大垣にはストレスを感じていたのだが、今回の試合でヤツはスタミナ不足のせいもあり、終始相手ゴール前を離れず、その結果オフサイドの反則を繰り返し、決定的な場面では、あろう事かオーバー・ヘッドを狙って空振りする――。と云う失態まで犯した。
そして試合が終わり、全員がピリピリしている時に、大垣がその失態の事を、〝笑ってしまう恥ずかしい失敗談〟として、面白おかしく話しているのを聞いた途端、俺の中で何かが爆発し、気が付けば拳を振り回していた。


「お前は、自分が何をやったのか判ってんのかぁっ!」
打たれた肩の痛みに耐え、俺は貝になった。
例え死んでも謝るのはごめんだった。
3年の怒りは頂点を極め、普段は大垣に対して不満しか抱いていないはずの2年までもが感化されていた。
そして散々怒鳴られ、小突き回されても謝ろうとしない俺に、「お前……辞めろ」
ついに業を煮やした西岡が、諦めたように言い放った。

辞め……る?
俺が?

「嫌です!」
思わず口に出た。
「辞めたく無かったら、何かそれなりの態度ってもんが、あんだろうがぁ!」
「嫌ですっ!」
「こんな事しといて反省も出来ないヤツに、チーム・プレイなんか出来る訳無ぇーだろうがっ!」
「嫌ですっ! 辞めません! ここに居させて下さいっ!」
「だったら謝れよ! そこに手ぇついて全員に謝れっ!」
「サッカーを続けさせて下さいっ!」

周りの言ってる事なんか全く耳に入らなかった。
俺は懇願した。
誰にも謝らず、ただ懇願した。
その間、バカみたいにただ、「嫌です!」「辞めません!」それだけを繰り返した。

俺は泣いていたのかも知れない。
「嫌です!」
「辞めません!」
「嫌です!」
「辞めません!」
サッカーしか無かった。
それしか出来なかった。
「嫌です」
「辞めません」
「嫌です」
「辞めません」
それを失った自分など想像すら出来なかった。
「嫌です……」
「辞めません……」
「嫌です……」
「辞めません……」

気が付けば――。
誰も居ない真っ暗な部室に1人座って呟いていた。
「いやです……やめません……いやです……やめません……」


4 孤高

2年になった俺は、押しも押されもせぬエース・ストラカーだった。
去年のあの一件以来、西岡を始め、前の3年は徹底的に俺を無視し続けた。
当時2年だった今の3年も、俺と同級生の2年も、西岡達に遠慮して、俺とはほとんど口を利こうとしなかったのだが、彼らが卒業すると、最低限のコミュニケーションだけは取ってくるようになった。
とは言え、特にイジめられる様なことも無かった代わりに、決して冗談を言ってくることも無い。

そう、俺は完全に孤立していた。

だが、誰も俺からボールを奪うことは出来なかった。
誰も俺より正確にパスを出せなかった。
誰も俺より瞬時に的確な状況判断は出来なかったし、何より、誰も俺より速くは走れなかった。

俺は都の選抜メンバーにリストアップされ、今では顧問でさえも俺を外すことなど出来なくなっていた。
大垣を殴り、部室で散々責められた翌日から、俺は狂ったように練習した。
バス通学を止め、学校まで片道8km程度の道を毎日走って往復した。
練習が終わっても、一人で腕立て伏せや腹筋やスクワットなどを、比喩などではなく、本当に動けなくなるまでやった。

俺の最大の武器は足だったが、最大の弱点は体重だった。
身長は182cmと高めなのに対し、体重は70kgを少し下回っている。
全国レベルになれば、間違いなくデカいディフェンダーとの競り合いでは当たり負けをするだろう。
武器である足を磨きつつ体重も増やすためには、身体を筋肉の鎧で固める必要がある。

俺の身体は見る見る変化していった。
体重はどんどん増え、胸と太腿は目に見えて厚く、太くなった。
最初周りは、俺が反省やパフォーマンスのために意地になってアピールしていると受け取ったようだが、事実は全く違う。
俺はあの瞬間に気付いてしまったのだ。

自分がどれだけサッカーを好きだったか。
それを取り上げられそうになり、どれだけ狼狽したか。
2度とごめんだった。
これしかなかった。
練習の苦しさなど、サッカーを取り上げられる苦しみとは比べるべくもない。

そのために――。
誰にも文句を言わせてはならない。
誰にも負けてはいけない――。と誓った。

初めてサッカーの専門誌に写真入りで紹介された辺りから、雑誌の記者や有名大学からの視察など、俺の周囲は本人を置き去りにして常に騒がしくなり、その結果チームからは益々孤立していった。
自然、京子との時間も更に削られる。
しかし、京子はそれをも理解してくれた。
俺の身体つきが変わってきたと喜んだ。
俺の顔つきが精悍になってきたと喜んだ。
俺が有名になって鼻が高いと喜んだ。
他の女の子が黙っていないと、おどけて笑った。
映画も遊園地もせがむことなく、練習で疲れきった俺を優しく癒してくれた。

俺には栄光と言う名の線路がはっきりと見えていた。
今はバネをギリギリまで引き絞る時だ。
俺には京子とサッカーがあればそれで良い。
それ以上他に望むものなど、何もなかった。


5 衝撃

日曜日はほとんどが他校との練習試合であるため終わるのが早く、俺と京子にとっては貴重な一緒に過ごせる時間だった。
京子も、日曜日といえば客やホステス同士の付き合いで、ゴルフや買い物などに出かけていくことが多かったのだが、それでも帰りは比較的早く、日が暮れる頃には大抵家にいた。
だが、銀座でも一流と言われる店に移ったのがきっかけで、この頃は貴重な日曜日も中々逢えないか、また逢えても本当に短い時間であることが多くなってきた。

「大きなコンペなんかだったら、終わってからも食事や飲みなんかで、途中で抜けるわけにはいかないのよ」
逢えない日曜日の夜、俺は決まっていつもの倍以上走った。
練習や、練習試合でいくら疲れていようが、体を酷使しなければ眠れないのだった。
走っていても客に媚を売っている京子の姿が頭にチラついた。
疲れてくると、京子の股間に顔を埋めるスケベ親父の姿まで、ありもしないと思いつつも脳裏に浮かんできて離れず、俺は更にぶっ倒れるまで走り続けなければならなかった。
あれだけ走ったと言うのに、家に帰ってからも、ちょっと油断すると妄想は果てしなく広がり俺を苦しめた。
髪の毛を掻き毟り、胸を引き裂いて収まるならそうしたいと願うほどの苦痛。
それはリアルな痛みを伴って、俺を責め続ける。
俺は京子の仕事を初めて呪った。
知らないオヤジに媚を売って稼いで来た金で、豪華なマンションに住み、美味いメシを食い、綺麗なドレスに身を包む京子を呪った。
そのマンションで京子を抱き、美味いメシを食わせてもらい、ブランド物の服をプレゼントされ、時には小遣いまで貰っている自分自身を呪った。

早く大人になりたかった。
自分自身の稼いだ金で京子に贅沢をさせてやりたかった。
だが、今のようにJリーグのある時代ではない。
大学を経て、社会人リーグに入っても、ほんの一握りの人間を除いて金持ちとは無縁の世界だった。
その一握りの、限られた人間の収入でさえ、野球選手などとは比べ物にならず、その数も数えられる程度でしか無かった。

「ホントごめん! 来週には必ず埋め合わせするから」
その日も、昨日の京子の声を思い出しながら、特にコースを決めるでもなく走っていた。
それでもやはり、気が付けば、いつの間にか俺の足は京子のマンションの方に向かっていた。

京子のいないマンションを見て、どうしようなどと云う気もなく、行っても余計に虚しくなるだけなのは分かりきっていたのだが、ひょっとして何かの事情で早く帰ってくることが有るかも知れない。
もちろん、本当に期待しているわけでもなく、走っている間中良からぬことを考えているよりは、少しでも楽しいことを考えようと思い、俺は時々マンションの前を走ることがあったのだ。
マンションの前を通り過ぎる時、チラっと電気の消えた京子の部屋を見上げ、無性に寂しくなり、やはり来なければ良かったと後悔したが、それとて所詮いつものことであった。
しかし、その日はそのまま200mほど通り過ぎたとき、正面からすれ違っていったメルセデスの後部座席で、見知らぬオヤジに腕を絡め凭れ掛かって目を瞑っている京子を見て、いきなり頭をハンマーで殴られたかような衝撃を受けた。



調教師 4  ~第2章~  6 咆哮 へと続く




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Author:堂山鉄心
大阪府出身。 大阪を中心にSM活動を広げてきたが、ARCADIA TOKYOの出店に伴い、その活動の拠点を東京に移し活躍中。

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